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求釈明書(3)

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2011年1月27日

足立区長
近藤弥生 殿

団    体    名     A l e p h
主たる事務所の所在地  埼玉県越谷市■■●-●-●


求釈明書(3)


  貴女からの2010年12月28日付当団体宛「足立区反社会的団体の規制に関する条例に基づく報告書の提出について」について、当団体より、その名宛人の不備等を指摘し、また、本件請求上の不明点について求釈明を行なったことに対して(本年1月7日付「要請並びに求釈明書」)、貴女より改めて本年1月14日付「足立区反社会的団体の規制に関する条例に基づく報告書の提出について」が送付されてきたところ、そこにもなお不明確な点が認められたため、当団体より再求釈明を行なった(本年1月17日付「再求釈明書」)。
  ところが、本日(1月27日)時点で、いまだ貴女からこれに対する回答はなく、本年1月25日に当団体が貴区宛に電話で行なった照会に対して、貴区担当者(危機管理室危機管理課危機管理係松本氏)は、貴区としてこれ以上の回答は行なわない旨明らかにした。
 
  上記2通の求釈明書に記したとおり、これまでの公安審査委員会の決定では、観察処分の被処分団体は「麻原彰晃こと松本智津夫を教祖・創始者とするオウム真理教の教義を広め,これを実現することを目的とし,同人が主宰し,同人及び同教義に従う者によって構成される団体」という単一の団体とされており、国の公式見解によれば、当該団体の構成員(約1700名)は、「『Aleph』という集団名を用いて活動している構成員及び『ひかりの輪』という集団名を用いて活動している構成員」(合計約1000名)のほか、そのいずれにも属していない「その他の構成員」(約700名)から成るとされている(観察処分期間更新処分取消請求事件(平成21年(行ウ)第341号)・2010年12月10日付被告側「準備書面(3)」)。その一方、貴区は貴区の公式ウェブサイト上で「団体規制法で観察処分を受けた団体とは、『Aleph(アレフ)』『ひかりの輪』の2団体」と規定しており、本件請求は、本条例がその前提に置く団体規制法・観察処分における国の認識と、異なった認識に基づいて行なわれている。したがって、当団体としては、貴区から必要な説明を受けることなく、不備なく適正に報告を行なうことは、不可能といわざるを得ない。
  以上を踏まえて、当団体としては、貴女に対して改めて求釈明を行なう(1)。また、本件請求に基づく報告を検討するに当たって、本件請求並びに本件請求を基礎づける本条例及び本条例施行規則においても不明確な点が認められるので、合わせて求釈明を行なう(2〜5)。請求に示された報告期限を考慮の上、速やかに回答されたい。


(1)「団体」について
本条例並びに本件請求における「団体(観察処分の被処分団体=反社会的団体)」とは、貴区が公式ウェブサイト上で表明しているとおり、これまでの公安審査委員会での決定とは異なり、「『Aleph(アレフ)』『ひかりの輪』の2団体」を指すものとして独自に規定されたものであり、当該「団体」とは、あくまでも「Aleph」ないし「ひかりの輪」という、それぞれ独立した団体として対象化され、その限りにおいて報告を請求されている(当団体としては、あくまでも「Aleph」としての、「Aleph」に限定された範囲の報告を求められている)と理解していいのか、明らかにされたい。


(2)本条例5条2項について
  本条例5条2項に「反社会的団体は、区の区域内において活動し、又はその構成員を居住させようとするとき」とあるが、「させようとするとき」とは、いかなる態様を表すのか、明らかにされたい。例えば、すでに区の区域内において、当該団体の活動ないし構成員の居住が現に行なわれている場合は、「活動し(ようとするとき)」「居住させようとするとき」に該当するのか否か、その理由を含めて明らかにされたい。


(3)本条例6条2項について
  本条例6条2項では、本条例施行規則2条3項2号に規定された「区内における団体の活動の用に供されている土地及び建物の所在、地積又は規模及び用途」に関する当該団体からの報告を公表するとしているところ、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」(情報公開法)に基づく、公安調査庁が実施した立入検査に係る行政文書の開示請求においては、当該団体施設の所在については「これを公にすることにより、当該団体を他からの観察・監視にさらすだけでなく、誹謗・中傷や暴力的干渉等を引き起こすなど、当該団体の権利その他正当な利益を害するおそれがあるとともに、場合によっては犯罪行為を誘発するなどして公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがある」として、その開示が認められてない。治安当局が「犯罪行為を誘発するなどして公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがある」と見なす情報(当該団体施設の所在)の公開を、貴区が「区民の安全及び地域の平穏の確保を図ること」を目的とする本条例に基づいて行なうことの当否について、どのような検討が行なわれたのか明らかにされたい。なお、当団体では、昨年11月、家庭内暴力を逃れて当団体に出家した女性会員が、居住場所としていた当団体施設の所在を元夫につきとめられ、同施設前で待ち伏せ・追跡された上で刺殺されるという事件が起きており、施設の所在を公開することによる犯罪行為の誘発を強く懸念している。


(4)本条例施行規則2条3項1号について
  本条例施行規則2条3項1号に「足立区の区域内における活動に係る団体(その支部、分会その他下部組織を含む)の意思決定の内容」とあるが、本件請求に添付された報告様式第2項には「足立区における活動に係る意思決定の内容(事業計画・活動計画)」と記されている。これは、当該団体の「意思決定」のうち、「事業計画」と「活動計画」に限定して報告を求めるという趣旨なのか、明らかにされたい。また、本条例における「事業(計画)」及び「活動(計画)」の定義をそれぞれ明らかにされたい。


(5)本条例施行規則2条3項3号について
・本条例施行規則2条3項3号に「当該団体の構成員が拠点として活動し、又は居住する場所を整備しようとする場合における当該整備計画の概要」とあるが、本条例における、当該団体の構成員の「拠点」「活動」及び「整備(計画)」の定義をそれぞれ明らかにされたい。
・本号が指定する事項と、本条例施行規則2条3項1号にいう「足立区の区域内における活動に係る団体(その支部、分会その他下部組織を含む)の意思決定の内容」ないし報告様式第2項に記載の「足立区における活動に係る意思決定の内容(事業計画・活動計画)」との関係ないし差異について、明らかにされたい。
・本号にいう「当該団体の構成員が拠点として活動し、又は居住する場所」と、本条例3条2項にいう「反社会的団体」の「活動の拠点又は反社会的団体の構成員若しくは関係者」の「住所地」との関係について、明らかにされたい。
・「(反社会的団体の)関係者」の定義について、明らかにされたい。

 

以 上

 

 

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