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足立区団体規制条例

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 2010年10月、足立区議会(東京都)は、「足立区反社会的団体の規制に関する条例」を制定しました。
 この条例は、団体規制法(「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」)において観察処分を受けた団体、すなわち「麻原彰晃こと松本智津夫を教祖・創始者とするオウム真理教の教義を広め、これを実現することを目的とし、同人が主宰し、同人及び同教義に従う者によって構成される団体」を「反社会的団体」と定義し、この規制対象団体に対して、区内での団体の活動やその構成員の居住等について区への報告を求めるとともに、その報告内容を区ホームページで公表し、建物に立ち入る等の調査をすることができるなどと規定しています。
 2011年3月8日、足立区は、報告事項等が不明確であることを理由として報告書を作成・提出し得なかったAlephに対して、5万円の過料処分を課しました。
 これに対してAlephは、2011年4月15日、東京地方裁判所において、過料処分の取り消しを求めて訴えを起こしました。
 一審の東京地裁は、Aleph側の訴えを退け請求を棄却しましたが、控訴審を担当した東京高等裁判所は、2013年10月31日、Alephが「足立区反社会的団体の規制に関する条例」に基づく報告書を提出しなかったことには「正当な理由」(10条1号)があるとして、足立区が行なった5万円の過料処分を取り消しました。
【→主文】

 これまでの主な経緯は、以下のとおりです。

これまでの主な経緯(2013年11月1日現在)

日 付 出 来 事 解 説
2010年10月22日 「足立区反社会的団体の規制に関する条例」制定。 議会上程後、即日可決、同日公布・施行。
11月 1日 同条例の施行規則が施行  
11月24日 信者待ち伏せ刺殺事件 家庭内暴力を逃れて当団体に出家した女性会員が、居住場所としていた当団体施設の所在を元夫につきとめられ、同施設前で待ち伏せ・追跡された上で刺殺されるという事件が、足立区に隣接する自治体で発生。待ち伏せによる信者刺殺事件は、1995年にも発生しています。
12月28日 区が教団に報告書の提出を請求  
2011年 1月 7日 教団より「要請並びに求釈明書」送付 名宛人の表記の不備を指摘し、規制の対象となる団体について質問。
1月14日 区が報告書提出を再請求 教団からの指摘に基づき、区は名宛人の表記の不備を修正。対象団体については、「貴団体が団体規制法に基づく観察処分の被処分団体である」ので「この条例が適用される」と回答。
1月17日 教団より 「再求釈明書」送付 公安調査庁や公安審査委員会も認めているとおり、Alephと「観察処分の被処分団体」は同一の団体ではありません。そこで、「たとえ当団体が観察処分の適用下にあるとしても、当団体と被処分団体がどのような関係にあるのかが明示されなければ、報告の範囲等が明確にならない」として、規制対象となる団体とAlephとの関係性について再質問。
1月25日 教団より区の担当者に電話で照会。 報告期限が迫る中、区の回答がないため、区担当者に直接照会したところ、「回答しない」旨の回答。
1月27日 教団より 「求釈明書(3)」送付 報告事項を区ホームページで公表することの目的等、5点の不明確事項を三たび質問。
1月31日 区が指定する報告書提出期限  
2月 2日 区が「求釈明書(3)の回答について」(2月1日付)送付pdf いわゆる「ゼロ回答」。ホームページでの公表については「区の基準で判断する」とするのみ。
2月 9日 区が報告書提出を催告  
2月13日 教団より 「求釈明書(4)」送付 区の2月1日付回答書での「ゼロ回答」を受けて、四たび質問。
2月24日 区が弁明機会の付与を通知。 求釈明書(3)に対する回答は無し。
3月 4日 教団より「弁明並びに求釈明書」送付 報告書を作成・提出し得なかったのは、報告請求者である区長が不明確事項に回答しなかったためで、これは過料処分を免れる「正当な理由」に当たると弁明。不明確事項について五たび質問。

5つの不明確事項:
@本件請求が対象とする「団体」の不明確性
A本件請求の名宛人の地位ないし資格の不明確性
B本条例に基づく報告義務が課せられる条件の不明確性
C本条例に基づく報告内容を公表する目的の不明確性
D本条例に基づく報告事項の不明確性
3月 8日 区が5万円の過料処分を通知。pdf 不明確事項に対する回答は無し。
3月23日 教団より「 異議申立書」送付  
3月25日 区が過料納付を催告  
4月11日 区が過料処分の督促を通知  
4月15日 教団が過料処分の取り消しを求めて東京地方裁判所に提訴  
6月30日 足立区条例過料処分取消訴訟(第1回口頭弁論)  
9月13日 足立区条例過料処分取消訴訟(第2回口頭弁論)  
11月22日 足立区条例過料処分取消訴訟(第3回口頭弁論)  
2012年 2月 2日 足立区条例過料処分取消訴訟(第4回口頭弁論)  
4月10日 足立区条例過料処分取消訴訟(第5回口頭弁論)  
6月 7日 足立区条例過料処分取消訴訟(第6回口頭弁論)  
9月12日 足立区条例過料処分取消訴訟(第7回口頭弁論) 結審
12月 6日 足立区条例過料処分取消訴訟(判決言い渡し)  
12月20日 教団が東京高等裁判所に控訴  
2013年 4月11日 足立区条例過料処分取消訴訟・控訴審、第1回口頭弁論  
6月13日 足立区条例過料処分取消訴訟・控訴審、第2回口頭弁論  
8月 1日 足立区条例過料処分取消訴訟・控訴審、第3回口頭弁論 結審
10月31日 足立区条例過料処分取消訴訟・控訴審、判決言い渡し  
11月12日 区が最高裁判所に上告  


 

 

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