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公安調査庁が行なった報道機関向けの発表(2013年7月1日)について

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 本年(2013年)7月1日、公安調査庁は報道機関向けの発表を行ない、「最近における教団の特徴的動向」として、「先般の立入検査」において、

@「主流派(Aleph)が」
A「目的のためには手段を選ばない、人を殺すことも躊躇しない」という考えに基づき
B「主流派に敵対する者の写真を」
C「日本刀を模したナイフ様の物で串刺しにし」
D「ナイフに刺すということで、自分たちの意に沿わぬ者を除去しよう、除外しようという強い危険な意思」の表現として
E「祭壇の一番中央の目立つところ」(すなわち「隠す意図が全くなかった」)に置いている状況が確認された

などとして、当該検査時の室内の写真とともにこれを公表しました。
 しかしながら、これらは、いずれも著しく事実に反しています。
 まず何よりも、「日本刀を模したナイフ様の物」と発表された物は、実際には、アクセサリー付きのミニチュア装飾ペーパーナイフであり、通信販売大手で「おもちゃ」として取り扱われているありふれた玩具に過ぎません(販売価格840円)。ペーパーナイフとはいっても、工具でも文具でもなく、ましてや人を傷つけたりする武具や、宗教儀式等に用いる法具などでもありません(本体重量は約10g=CD1枚分とほぼ同等)。

 我が国を代表する諜報機関である公安調査庁(:Public Security Intelligence Agency, PSIA)の調査能力をもってすれば、当然、「日本刀を模したナイフ様の物」と発表した物件が、実は “おもちゃ”として販売されている商品であることを特定しているはずです。にもかかわらず、この事実をあえて伏せたまま発表を行なったことは、極めて作為的だといわざるを得ません。

 また、ペーパーナイフが置かれていたのは、音響機器用のスチール棚の前に置かれた小型スピーカーの上でした。「祭壇の一番中央の目立つところに置かれていた」という本発表は、全く事実に反します。

 この小型スピーカーの背景に見える図柄は、スチール棚の音響機器類を保護するための“ホコリよけ”として、クリップで仮止めされた織布に過ぎません。当団体でこれを「祭壇」として用いることなどあり得ません。そのことは、過去20年にもわたって当団体関係の調査をしてきた公安調査庁ならば、十分に承知しているはずです。

 いうまでもなく公安調査庁は、立入検査当日、スチール棚や音響機器類、これらを覆うホコリよけの織布を含めて、室内全般を隈なく検査し記録しています。しかし、本発表においてこの事実は意図的に伏せられているのです。

 さらに、小型スピーカーの左側の白い棒状の物は、ホコリよけの織布に上部が覆われているため、一見したところ、祭壇に献上されたロウソクのようにも見えますが、実際には、これもおもちゃの刀、「ライトセーバー」です(Lightsaber:米国のSF映画『STAR WARS』シリーズに登場する空想上の電光サーベル)。


 このほか、小型スピーカーの周辺には、多数のスプレー缶、ウェットティシュBOXとその詰め替えパック、使用済みのロウソク、パックのDVDディスク、ライトセーバー専用台座 等々、様々な日用品類が雑然と並んでいます(小型スピーカー自体も、別の茶色の小型スピーカーの上に二段重ねに置かれています)。
 この一角が物置としてのスペースであることは一目瞭然ですが、公安調査庁はこれを勝手に「祭壇」と称し、写真の束が「祭壇の一番中央の目立つところに置いてありました」(安村隆司調査第1部長)と虚偽の事実を発表しているのです。

 そもそも公安調査庁は、「主流派(Aleph)が写真を串刺しにして置いた」と発表して、何の根拠もなくこれを「教団としての行為(活動)」と決め付けていますが、全くの事実無根です。過去200回以上に及ぶ立入検査において、同様のプリントアウトの束が確認されたことは、この時の立入検査を除いて一度もありません。今回の一件は、あくまでも私人の私宅における私生活上の私事に過ぎず、実際の行為としてはもちろん、教義上も教団活動とは全く無関係です。
 したがって、本発表で強調された、

「主流派に敵対する者の写真」
「ナイフに刺すということで、自分たちの意に沿わぬ者を除去しよう、除外しようという強い危険な意思」
「目的のためには手段を選ばない、人を殺すことも躊躇しない」

などの内容も、およそこじつけも甚だしく、同様に事実無根です。

 本件の真相は、散らかっていた不用なプリントアウト(16枚)のうち、一部(12枚)をペーパーナイフで束ねていたものが、たまたまスピーカーの上に放置されていたに過ぎず、それ以上でも以下でもありません。
 検査に立ち会った居住者は、これらについて「ガラクタ」という認識をはっきり伝えており、現場の調査官からも格別な追及を受けることはありませんでした。それどころか、上司や同僚、あるいは自分自身が写ったプリントアウト画像を見た調査官から、大きな笑い声や冗談混じりの軽口が飛び出す場面もしばしばでした。
 実際、この日の立入検査後に公安調査庁がホームページで発表した「立入検査の実施結果について」には、他の立入検査の場合と全く同様、下記のとおり、単に、「施設内に、麻原の写真、麻原の説法を収録した教材などが多数保管されていることを確認した」と記されているのみです。

 公安調査庁が、例外的に記者会見まで開いて画像を大々的に公表した「串刺し写真の束」について、ここではただの一言の言及すらありません。にもかかわらず、この立入検査が行なわれてから数十日もの時間が経過した後になって、実際の検査時の状況とはおよそ懸け離れた発表が一方的に行なわれたことについて、当団体としては大変困惑しています。

 当団体では、本発表について、公安調査庁長官に対して厳重に抗議するとともに、その内容が写真とともに掲載されている同庁ホームページの記事を即刻削除するよう二度にわたって要請し、さらに、最終期限(2013年10月1日)までに適切な対応が取られない場合には、本発表によって生じた重大な誤解を解くため必要な措置を取ることを通告しました。

 しかしながら、公安調査庁においては、期限から1カ月以上が経過した本日(11月5日)に至るまで何の対応も見られません。ホームページ上の記事も依然としてそのまま放置されているため、すでに4カ月以上にわたって虚偽の情報発信が継続されています。
 インターネット上の情報は、世界のどこからでもアクセスすることができる上に、他のホームページに転載することも容易であるため、一旦、虚偽事実等が掲載された場合は、取り返しのつかない事態を招来させることは必至です。これについては、インターネットによる情報公開が予測困難な不利益を生じさせる危険性を指摘した判決が、先だって(10月31日)、東京高等裁判所より示されました(当団体が過料処分の取消しを求めて足立区を訴えた裁判の控訴審判決)。

【参考判例】

過料処分取消請求控訴事件
東京高裁平25(行コ)第241号
平25.10.31民事14部判決

「本条例では、アレフが本件報告をすると、その内容が区ホームページに掲載されて、インターネット上で公表されることとなるが、インターネットによる情報の公開は、これにアクセスする利用者が極めて不特定多数であるだけではなく、容易に区ホームページ以外の他のウェブサイト等に転載することも可能であり、一旦、インターネット上に情報が掲載されてしまうと、事後的にこれを削除しようとしても、事実上、不可能であるか、著しく困難であることは明らかである。」

 また、その一方で、公安調査庁による本発表及びその報道に接した複数の第三者より、当団体が把握する正確な事実関係を説明すること及び当団体としての見解等を対外的にも明らかにすることを強く求められ、もし当団体がこれを実行しない場合は法的な対抗措置を取る可能性があることを通告されています。
 そこで当団体では、ここに本記事を掲載するとともに、併せて、立入検査の現場で記録されたビデオ映像を公開することとしました。実際の検査の状況については、ビデオ映像をご覧ください。

 なお、立入検査中の公安調査官をビデオで撮影し、その映像をインターネット等で公表することに関しては、これを適法と判示した東京高等裁判所の判決があります(東京高判平16.2.25)。この判決は、その後、最高裁判所で確定しました(最高裁平17.6.3)。

【参考判例】

損害賠償請求事件
東京高裁平15(ネ)4893号
平16.2.25民事12部判決

「控訴人が本件ビデオを撮影し、これを公表するという行為は、直ちに民事上又は刑事上の違法な行為と
評価されるものではない。本件ビデオの公表により公安調査官の容貌等が広く知れわたると、公安調査庁の調査活動の一部が事実上行いにくくなることは容易に推察することができるが、そうであるとしても、
団体規制法7条2項の規定により立入検査中の公安調査官をビデオ撮影すること及び当該撮影ビデオを公表することを禁止する法令上の根拠がない(団体規制法7条2項及び3項の規定によれば、立入検査中の公安調査官を撮影することが違法であるとは言い難い。 )ものである以上は、特段の事情が認められない限り、本件ビデオの公表も許されるものと解するほかない。」

 

 

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