ニュース
ホーム > ニュース
imageAlephに関する最新のニュース・出来事等をお知らせします。

過去のヘッドラインニュース

line

[ 前月 ] [ニュース履歴目次] [ 翌月 ] [ホーム]

一連の事件の被害者の方々への支払いについて

icon 2020年1月21日(火)
【図1】破産手続き中のアレフなどからの送金と被害者への配当の流れ

 かつて存在した宗教法人オウム真理教は、1995年から翌96年にかけて、宗教法人の解散命令と破産宣告を受けて消滅し、その資産約10億円が被害者の方々への賠償に充てられました。その後、2000年に発足したアレフは、被害者賠償のための合意を破産管財人との間で任意に締結し、さらに約10億円の支払いを行なってきました(詳細はこちら

 その一方、極めて異例なことに、2009年に宗教法人オウム真理教の破産手続きが終了するに当たって、オウム真理教の破産管財人から民間の任意団体(オウム真理教犯罪被害者支援機構)に対して「無償の債権譲渡」が行なわれ、被害者の方々への配当業務の主体が移行したとされました。この「無償の債権譲渡」は、アレフ側の同意を得ることなく行なわれました。

 この団体は、破産法に基づいて裁判所の監督下で公正中立に配当を実施する破産管財人とはおよそ性質を異にし、これまで教団への糾弾活動の先頭に立ってきた弁護士グループが中心となった単なる任意団体です。実際、破産管財人から無償で債権譲渡を受けた後も、この任意団体は、「教団は解散して現有資産のすべてを賠償に尽くすべき」として被害者の方々への全額の配当など眼中にないことを公言してきました。

【図2】破産業務を引き継いだ支援機構に賠償原資が4億円以上が留保されている状況

 また、この任意団体は、破産業務を引き継いだとしてアレフに対して支払いを強く迫る一方、アレフなどから4億円以上もの配当原資を手元に集めながら、「教団からの支払いが遅れている」ことを理由として、10年以上もの間、一度も被害者の方々への配当を行なおうとしませんでした。現在、東京高等裁判所で係争中の裁判は、アレフが任意団体側に対して、被害者の方々への配当を早期に実施するように求め、また、もし配当を直ちに行なうことが難しい場合には、せめて配当計画だけでも示すように求めて一旦支払いを見合わせたところ、起こされたものです(詳細はこちら)。

 この任意団体は、債権譲渡を受けてから10年以上にもわたって一度も配当をしたことがなかった事実が裁判上でも取沙汰されるに及んで、2019年6月、11年ぶりの配当に向けて512名の被害者の方々への通知を始める旨、マスコミに発表しました(詳細はこちら)。この時期に配当を行なうこととなった理由について、任意団体側では「一定額に達するまで配当を見合わせていた」と説明していますが、配当に十分な原資は既に何年も前の時点で同団体のもとに集まっていました。実際、今回の配当に充てられるとされる約3億5000万円がこの任意団体のもとに集まったのは、2017年のことです(かつての破産手続中は計4回の配当が実施され、配当額は第1回が約9億6千万円、第2回が約3億4千万円、第3回が約1億7千万円、第4回が約8千万円でした)。

 しかも、アレフからの要求にもかかわらず、配当通知に対する応答の状況や配当の実施結果を含めて、その後の進捗状況は任意団体側から一切明らかにされていません。

 特に気になることは、配当を受ける被害者の方々について、2015年3月21日付産経新聞が「2、3割(≒102〜154名に相当)で連絡が取りづらくなっていた」と報じ、2018年7月7日付朝日新聞が「郵便が届かない被害者も1割(≒51名に相当)以上いる」と報じていることです。時間的経過からして、配当を始めるとされた2019年7月の段階では、1割(≒51名)を大きく超える人たちと連絡が取れなくなっていることは確実と思われます。

 連絡が取れない以上、この方々に対しては配当することはできず、この方々の債権額に対応して、アレフがこれまで支払った分やこれから支払えといわれる分は、今後この任意団体の手元に残ることになります。任意団体側では、これらの配当できずに手元に残った金額及び将来的におけるその取り扱いについて、公的に説明をする必要があります。

 さらに驚くべきことに、この任意団体は裁判の過程で、破産管財人から引き継いだはずの被害者の方々への配当業務について、配当する義務をアレフに対しては明確に否定し、被害者の方々に対してすら、その義務を明言せずに曖昧にしたまま裁判を終結させました。これは、アレフと破産管財人との間の2000年の合意が、被害者の方々のために締結された、賠償債務の引き受けであったことを完全に否定するものです。

 アレフとしては、任意団体側が実施を発表した配当手続きの経過と結果を速やかに公表することを望みます。また、今後も、被害者の方々への満額の配当の実現を目指していきたいと思います。

[ 前月 ] [ニュース履歴目次] [ 翌月 ] [ホーム]

 

 

ホーム

このページの上部へ