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本日、Alephでは、本年1月に公安審査委員会が決定を行なった、団体規制法に基づく観察処分期間更新処分の取消を求める行政訴訟を提起しました。
今回の裁判での新たな主張のポイントは、観察処分の対象とされる団体の「架空性」です。
報道等で見られるように、観察処分の対象団体を漠然と「オウム真理教」としたり、「Aleph及びひかりの輪」としたりするのは誤っています。この処分の対象とされているのはあくまでも、決定書にもあるとおり、公安調査庁が独自に規定した政治的団体(「麻原彰晃こと松本智津夫を教祖・創始者とするオウム真理教の教義を広め,これを実現することを目的とし,同人が主宰し,同人及び同教義に従う者によって構成される団体」)です。
しかし、この「団体」なるものは、構成員比にして40%以上もの退会者等約700人を含む、相互に何の結び付きもない架空の団体にほかなりません。法律が規定する「特定の共同目的を達成するための継続的結合体」(法4条)という「団体」としての要件を全く欠いているからです。
にもかかわらず、観察処分があくまでもこの「団体」なるものを対象としている以上、仮に旧オウム真理教やAlephを退会したとしても、それとは別に当局からの認定がない限り、この架空の「団体」から抜け出ることができない、という仕組みになっているのです。
今回の裁判で特に訴えたいのはこの点です。
そもそも立法事実などなかったにもかかわらず、過剰に煽られた当時の住民不安を背景に、「緊急避難」を理由として99年に成立したこの法律は、「施行の日から起算して5年ごとに…廃止を含めて見直しを行う」ことを附則として定めた時限立法的な性格を有するものでした。
観察処分は、2000年1月に最初の処分が決定されて以降、今回を含めて計3回の更新が漫然と繰り返されてきました。しかし、10年の時の経過を通じて、教団内外の状況が大きく変化していく中で、もともと内在していた現実と法律の間の矛盾が徐々に表面化し、前回更新以降の3年間で、この団体の「架空性」が顕在化したということができます。
今回の裁判では、団体規制法自体の違憲性や教団に危険性がないこと等を訴える従来の主張に加えて、対象団体の「架空性」の問題を新たに主張していくとともに、公安審査委員会が、「はじめに結論ありき」の決定を漫然と行なったことの違法性を明らかにしていきたいと考えています。
2009年7月24日、本団体横浜道場(神奈川県横浜市)及び信者住居2箇所(長野県松本市、千葉県千葉市)において公安調査庁による立入検査が行なわれました(退会者グループ等含め通算186回目)。
今回の立入検査においても、施設内の設備、帳簿書類、その他宗教活動に用いられる物件等が検査された結果、過去の検査と同様、無差別大量殺人行為の準備や計画等を具体的に示す物件等が存在しないことが明らかになりました。
※ 団体規制法に基づく立入検査は、「無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握すること」(法8条)を目的として、「団体が所有し又は管理する土地又は建物」(法7条2項)に対して、「特に必要があると認められる」(法7条)場合に限って「必要な最小限度においてのみ」(法2条、法3条)実施が認められている一方、実際には、これらの規定に反して、個人の居宅を含めてほぼ定例的に(月1〜2回程度)巡回して行なわれている。
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2009年7月2日、本団体出家会員住居(滋賀県湖南市、同甲賀市)において公安調査庁による立入検査が行なわれました(退会者グループ等含め通算185回目)。
今回の立入検査は、早朝5時台から始まり、検査官の不手際による検査のやり直しなどがあったため、深夜12時近くにまで及ぶ長時間の検査となった結果、検査に立ち会う住人の心身に多大な負担をかけることとなりました。あまりにも常識を逸脱した時間帯にまで及び、住居の平穏とプライバシーを侵した本件検査は、著しく不当なものと言わざるを得ません。
また、公安調査庁は本件検査について、検査結果を報告する同庁のホームページ記事の中で「教団が回収して破棄するとしていた教材が複数保管されていることも確認された。」と発表しています(http://www.moj.go.jp/KOUAN/PRESS/090703-1.html)。これは、1989年に出版された教団機関誌の「改訂版」のことだと思われますが、「改訂版」は、すでに回収された89年版の一部をコピーして綴ったものであり、外観が明らかに違うだけでなく、内容も違います。にもかかわらず、同教材を何ら精査することなく、回収指定教材と同一のものと誤認したうえで、その誤った認識をそのまま広報してしまったのが当該ホームページ記事です。他物件での検査においては、検査官らは同教材の中身を調査し、回収指定を受けた教材から改訂された別個のものであることを確認しています。すなわち、本件検査における公安調査庁の公式発表は、当日の検査官の明らかな調査ミスを示すものであるため、本団体は本年8月2日付けで、公安調査庁に対して、抗議と当該記事の訂正を求める書面を送付しました。
なお、今回の立入検査においても、住居内の設備や帳簿書類等が検査され、過去の検査と同様、無差別大量殺人行為の準備や計画等を具体的に示す物件等が存在しないことが明らかになりました。
※ 団体規制法に基づく立入検査は、「無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握すること」(法8条)を目的として、「団体が所有し又は管理する土地又は建物」(法7条2項)に対して、「特に必要があると認められる」(法7条)場合に限って「必要な最小限度においてのみ」(法2条、法3条)実施が認められている一方、実際には、これらの規定に反して、個人の居宅を含めてほぼ定例的に(月1〜2回程度)巡回して行なわれている。