さらにいえば、公安調査庁が調査対象と位置付けるこの「団体」は、「Aleph」と「ひかりの輪」という2つの団体だけで構成されているわけではありません。
 公安調査庁によれば、「ケロヨンクラブ」や「人権救済基金」と称する他の小グループや、いずれの団体・グループにも属さない構成員など併せて数百名のいわゆる「脱会者=元信者」らが、「その余の構成員」として、Aleph・ひかりの輪とともに一体の「団体」を構成しているとされているのです。このほかにも、「ロシア連邦内の信徒」というカテゴリーの構成員が、やはり数百名存在するとされています。
 これら諸々ひっくるめて、単一の組織体を構成する観察処分の対象団体として、

麻原彰晃こと松本智津夫
を教祖・創始者とするオ
ウム真理教の教義を広め
、これを実現することを
目的とし、同人が主宰し
、同人及び同教義に従う
者によって構成される団

が、かつて存在し、今も尚存在する――これが、この「団体」を規制する側に立つ公安調査庁の考え方です。
 最近の報道によれば、本年(2017年)11月中にも予定されている6回目の観察処分更新請求では、2015年初頭にAlephから退会した元信者らのグループが、「山田らの集団」として新たに対象団体に組み込まれるとのことです。
 こうして見ると、「Alephとひかりの輪が一体となった、一つの組織体」という言い方は、あまりに簡略に過ぎ、かえって現実を覆い隠してしまっているといわざるを得ません。事態はより複雑なのです。
 そもそも組織的なつながり(結合性)などなく、むしろ相反関係にある団体やグループ同士を一体のものに仕立て上げ、さらに、そこからこぼれ落ちたはずの多数の脱会者らをもひっくるめて、あたかも単一の団体が存在しているかのように見せかけているだけではないか。――今回の裁判でAlephが主張した「架空団体論」は、このような認識に基づいて、実は10年近くも前から訴え続けてきたものでした。(続く)