もともとAlephとしては、今回の取消訴訟を提起するに当たって、

「Alephとひかりの輪が一体となって一つの組織体を構成しているという「2団体一体論」はフィクションである。そのような組織体は実在しない架空の団体に過ぎず、よって処分は無効である」

という「架空団体論」を主張し、観察処分全体の取り消しを訴えていました(一方のひかりの輪は、2015年に決定された観察処分のうち、「ひかりの輪を対象とした部分」についての取り消しを求めていました)。
 東京地裁は、この「2団体一体論」に立った公安審査委員会側の論拠を一つ一つ検討した上でこれを退け、Alephとひかりの輪が「一つの組織体」であると評価することはできないと認定しました。その一方で、Alephが「対象団体の少なくとも一部を構成する」ことを否定せず(つまり「架空団体論」にまでは踏み込まず)、Alephへの処分はそのまま是とし、結果として、ひかりの輪にかかった処分(のみ)を取り消しました。
 要するに、「2団体一体論」の虚構性を指摘して観察処分全体を取り消すよう求めたAlephの請求に対して、判決は、「架空団体論」を部分的に採用して、処分全体ではなく一部(ひかりの輪部分)の取り消しを認めたという意味で、Alephにとって「一部勝訴」というわけです。
 公安審査委員会は、今回の東京地裁の判決を不服として、ひかりの輪のみならずAlephに対しても控訴しました。これは、公安審査委員会から見ればAlephに対して「一部敗訴」したからにほかなりません。2007年にAleph退会者の一部がひかりの輪を発足させて以降、「2団体一体論」を前提に観察処分を更新し続けてきた公安審査委員会としては、10年前に遡って、10年間にわたる過ちを指摘されたことになるわけですから、両者いずれに対しても、何としても覆さねばばらない判決ということになるのでしょう。(続く)