「③麻原尊師が現在も団体の代表者であり、ひかりの輪代表である上祐史浩氏が現在も団体の役員である」についても、この認定は極めて不当なものです。
 麻原尊師については、「団体」の活動を把握して何らかの指示を出したり方針を示したりすることが不可能であることはもちろん(前記①の項参照)、構成員ですらない以上(前記②の項参照)、代表者でなどあり得ないことは明らかです。
 これについては、2017年9月25日の観察処分取消請求訴訟判決で、

「松本(引用者注:麻原尊師)は、長期にわたり東京拘置所に収容されており、平成8年頃には、接見した弁護士を介して、本団体の構成員に対するメッセージを発するなどしたこともあったが、以来、本件更新決定時に至るまで、同様のメッセージを発したと認めるに足りる証拠はなく、また、松本は、平成20年6月10日に二女及び二男と面会したのを最後に、面会をしていないのであって、本件更新決定時において、松本が原告の代表者及び主宰者であるとはいえないともいい得る。」

と認定されているとおりです。

 また、上祐氏の存在が処分理由にされていることについては、Alephとしてはまったくあずかり知らぬ話で、まさに“とばっちり”というほかありません。公安調査庁自身も認めていることですが、ひかりの輪が上祐氏を代表役員に選んだ決定にAlephは一切関わっていないのです。これは、観察処分の対象団体が「Alephとひかりの輪が一体となった、一つの組織体」であるとする、公安調査庁の「2団体一体論」(現在は「山田らの集団」を含めた「3団体一体論」)から生じた矛盾です。その結果、いわば巻き添えをこうむるかたちで、他の団体による決定の法的効果がAlephにも及んでいるのです。【続く】