今から18年前、96年5月15日の第3回破防法弁明手続の冒頭で、麻原教祖は「うわさされている奪還」についての質問に「洞穴」のたとえで答えましたが、この問答は、お昼休みを挟んだ午後の手続でも、もう一度繰り返されました。
ただ単に繰り返されただけでなく、教祖の「洞穴」は、今度は「最高の洞穴」と称されています。
この「最高の洞穴」は、その後全面的に改築され、高さ50メートル・12階建ての近代的な高層ビルに変貌しました。

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(公安調査庁職員)それでは、手続を再開します。松本代表の意見陳述を続行してください。

(教団代理人)けさ冒頭にも伺いましたが、要するに将来の危険性がないという意味で、逃亡する、あるいは奪還されるという意思があるのかどうかですね。ここの点についてもう一度あなたの率直な意思表明を繰り返してもらえますか。

(麻原彰晃)ここの生活はもともと、例えばタ方5時から朝の7時までは非常に静かな時間を過ごすことができますし、また部屋の感じが非常に厚いコンクリートで、列車の音は聞こえますけれども、鳥の声、その他聞くことができて、非常に日本においては最高の洞穴に近い状態じゃないかと考えております。私自体、瞑想修行を完成したいと考えておりますので、今の環境に対して非常に満足しておりまして、ですから、奪還されることに対して、私はそれを喜ぶこともありませんし、また肯定することもありません。

(教団代理人)率直に言って、仮にだれかがあなたを奪還しようとしても、もはやかくまう場所も、あるいはあなたを逃亡者として受け入れてくれるような国もあり得ないと思うんですけどね。ですから、公安調査庁は本当にそういう危険があるというなら、こういうことが起こるんだということを公安調査庁の方がはっきり言うべきだというふうに思いますがね。

(麻原彰晃)はい。