とりわけ、更新決定において、Alephとひかりの輪が一体の組織であるとされていることは、まさに現実離れした見方であり、実は、ほかならぬ公安調査庁自身が、今回の更新請求を行なうまでは、両者の対立関係をむしろ強調していたのです。
また、Aleph・ひかりの輪以外の約700人については、具体的な証拠は何ら示されておらず、本当に実在するのかどうかすら、定かではありません。仮に、この700人が実在しないのであれば、公安調査庁は調査対象を7割も水増しして国家予算を請求していることになるのです。
いずれにしても、戦後初めての団体規制の発動を通じて、法律上の「団体」概念が変質・拡張してしまっていることは明白です。
【資料L】各年度の公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」
「教団内では、幹部信徒が『正大師(上祐)の説法は尊師と教えと違っている』、『尊師と正大師ではエネルギーが違う』などとあからさまに上祐を批判」(2004年1月発行)
「中立的立場にあった正悟師・杉浦実は,事態の収拾に乗り出したが,支持派と反対派との溝は埋まらず,さらに,上祐が,説法会を2年振りに再開させ,“麻原隠し”の必要性を強調するなどしたため,両派の確執が激化」(2006年1月発行)
「年末年始集中セミナーも分裂して開催するなど,両派の確執が顕在化」(2007年1月発行)
「上祐を支持する上祐派とこれに反対する主流派(反上祐派)の対立が顕在化し,両派の対立は,集中セミナーの分裂開催(平成17年末以降),施設や財政の分離(平成18年7月)を経て決定的となった」(2008年1月発行)